2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Björk "Vespertine"

「メダラ」より後のアルバムは追えていないんだけど、ビヨークでは「ヴェスパタイン」が一番好きだ。 というより、他のアルバムはいまいち乗り切れないというか、ちょっとついていけないな、と感じる時がある。ビヨークはコケティッシュであり、チャイルディ…

David Grubbs "The Thicket"

シカゴ音響派、というジャンルがある。 ジャンルという言葉はアレルギーを起こしがちだが、シカゴ周辺に特定の傾向を持ったミュージシャン達の緩やかな繋がりがあり、彼らの作り出す音楽をシカゴ音響派という言葉で括った、という風に捉えて欲しい。そもそも…

エドガー・アラン・ポー、『黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇』、岩波文庫

ポーの偉大さはいささか分かりづらい。 おそらく、あまりに偉大すぎる、ということだろう。大仰な雰囲気、隙のない構成等、現代の我々の眼には却って驚きを減じて映るのである。しかしながら、再読すると、やはり単純に面白く、興奮せずにはいられぬことも事…

フランツ・カフカ、『アメリカ(失踪者)』、角川文庫

ドイツ人の少年カール・ロスマンが、アメリカへ到着し、叔父のもとへと引き取られるも追放される。道中フランス人ドラマルシュ、アイルランド人ロビンソンという二人の男と出会うが、彼らに愛想を着かし別れてしまう。その後ロスマンはホテルのエレベーター…